開発者の皆さん、こんにちは!
Windows 版 IRIS/IRIS for Health 2025.1 以降で Embedded Python をご利用いただく場合、Windows に Python のインストールが必要になりました。
以前のバージョンから Embedded Python をご利用いただいている場合は、新しいバージョンにアップグレードした後、Python のインストールと IRIS 側に必要な設定がありますのでご注意ください。
※ 2024.1 以前のバージョンでは、IRIS インストールと同時にインストールされる Python ご利用いただく必要があったため、Windows への Python インストールは不要でした。
補足:フレキシブル Python ランタイム機能の導入により、OS にインストールされた Python のバージョンを IRIS 側で指定できるようになりました。
詳細はドキュメントもご参照ください:フレキシブル Python ランタイム機能の概要
Embedded Python 利用までの手順は以下の通りです。
1) サポートする Python のバージョンを確認
サポートしている Python のバージョンを確認します。(Windows は、Python 3.9以降)
https://docs.intersystems.com/irislatest/csp/docbook/DocBook.UI.Page.cls?KEY=ISP_technologies#ISP_other
※ IRIS 2025.1では、Python 3.13 との間の既知の問題がありますので、Python 3.13 を避けていただくことをお勧めしております。(2025.2 以降では対応しています)
2) Python のインストール
Windows に Python がインストールされていない場合は、インストールします。「Add python.exe to PATH」にチェックを入れると便利です。
(2025/8/7時点で、IRIS コミュニティエディションは、バージョン 2025.2 のダウンロードが行えますので、Python 3.13 のインストールキットの例でご紹介しています)
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3) Python のインストールディレクトリを確認
コマンドプロンプトを開き、where python を実行すると python.exe の場所が戻ります。
C:\Users\Administrator>where python
C:\Users\Administrator\AppData\Local\Programs\Python\Python313\python.exe
この後、IRIS 側の設定で python.dll のある場所をフルパスで指定する必要があります。ここで確認したディレクトリ配下に python.dll があります。
例)C:\Users\Administrator\AppData\Local\Programs\Python\Python313\python.dll
4) IRIS のインストール
IRIS をインストールします。インストール時に指定する初期セキュリティにより、インストール後の手続きが変わります。
IRISの場合、「Minimal」「Normal」「Locked Down」の選択ができます。
下図のように、「Minimal(最小)」を選択された場合は、特に設定は必要ありませんので 5) Python用設定の追加 に進んでください。
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下図のように「Normal(通常)」を選択されている場合は、認証/ウェブセッションオプションから「OS認証を許可」にチェックし、%Service_CallIn サービスを有効にします。
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認証/ウェブセッションオプションで「OS認証を許可」にチェックを入れる方法は以下の通りです。
管理ポータル > システム管理 > セキュリティ > システム・セキュリティ > ワイドセキュリティ > 認証/ウェブセッションオプション に移動し、「OS認証を許可」にチェックを入れ、保存ボタンをクリックします。
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サービス:%Service_CallIn を有効化する方法は以下の通りです。
管理ポータル > システム管理 > セキュリティ > サービス > %Service_CallIn をクリックし「有効」にチェックを入れ「オペレーションシステム(オペレーティングシステム)」にチェックが入っていることを確認し「保存」ボタンをクリックします(未チェックの場合はチェックして保存してください)。
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ここで、ターミナルを起動しユーザ名、パスワードの入力がない状態でもログインできることを確認できれば設定OKです。
5) Python用設定の追加
使用する Python ランタイムのバージョンと、ディレクトリを管理ポータルで設定します。
管理ポータル > システム管理 > 構成 > 追加の設定 > メモリ詳細 > 対処の設定項目の「編集」をクリック
設定項目:PythonRuntimeLibrary
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設定項目:PyhtonRuntimeLibraryVersion
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どちらも保存ボタンをクリックして設定を保存します。
ターミナルを新たに起動し、:p と入力して Python シェルに切り替われば設定成功です。
USER>:p
Python 3.13.6 (tags/v3.13.6:4e66535, Aug 6 2025, 14:36:00) [MSC v.1944 64 bit (AMD64)] on win32
Type quit() or Ctrl-D to exit this shell.
>>> quit()
USER>
6) Python パッケージのインストール
必要な Python パッケージを、python -m pip または pip(または pip3) を利用してインストールします(irispip は 2024.2以降インストールされません)。